非常に便利な定常光!LED照明の特徴について
ご家庭の照明でLED照明を利用されている方は、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。環境にも経済にも優しいLED照明は、身の回りの多くの場所で利用されています。
そんなLED照明ですが、生活で使用される照明としてだけでなく、近年では撮影現場で利用されることも多くなってきました。
定常光の照明機材の多くが、LED照明を使用したものへと変わりつつあります。
今回は、撮影におけるLED照明の特徴についてお伝えします。
LED照明とは
LED照明とは、照明の一種で、Light Emitting Diodeの頭文字を取ったものです。日本語にすると「光る半導体」ということになり、発光ダイオードと呼ばれることもあります。
LEDは、トランジスタやICと同じ半導体の仲間ですので、寿命が長かったり、消費電力が少ないなどの特徴を持っています。
日本では、環境問題に対する意識の高まりや、東日本大震災以降の電力不足をきっかけとして、省エネの観点から利用が進んでいます。
LED照明の特徴
省エネの観点から、生活における明かりとしての利用が進んでいるLED照明ですが、撮影の分野においても、定常光の一種として利用が拡大しています。
撮影におけるメリットとして、LED照明には以下のような特徴があります。
- 寿命が長い
- 発光効率が良い
- 小型で軽量
それぞれについて確認していきましょう。
寿命が長い
LED照明の大きな特徴として、寿命の長さをあげることができます。
LED照明は「球切れ」になることがありません。ですので、「新品の時と比べて、明るさが70%に落ちた」タイミングを寿命として考えます。そんなLED照明の寿命ですが、その長さは、約40,000時間と言われています。仮に1日10時間照明を利用したとして、10年間使用し続けられることになります。
白熱電球が1,000〜2,000時間、蛍光灯が6,000〜12,000時間程度で寿命を迎えるとされています。いかにLED照明の寿命が長いのかが、お分かりいただけるかと思います。
LED照明は寿命が長く、頻繁に交換する必要がないので、ランニングコストを抑えることができます。
発光効率が良い
LEDは発光効率が非常に良いです。
発光効率とは、「一定のエネルギーで、どれだけ明るく発光するか」というものを表す指標です。明るさの単位であるルーメン(lm)を電力(W)で割って算出します。
この値が、一般的なLEDですと100〜200lm/Wとなります。白熱電球が10〜20lm/Wであることを考えると、相当効率が良いことが確認できます。
また、前回の記事で紹介した、タングステン照明は、発光効率が20lm/Wであるとお伝えしました。定常光として、タングステン照明の利用が減り、LED照明の利用が増えている理由の一つが、発光効率の違いにあるのではないかと思います。
また、LED照明は発光効率が良いため、発熱量が小さいというメリットもあります。
夏場のスタジオ撮影などでは、照明をたくさん焚くことで、スタジオ内が非常に暑くなることがありますが、LED照明を利用することで、そういった暑さを回避することが可能です。
小型で軽量
LED照明は、小型で非常に軽量です。中には、シートのような形状をしている照明も存在します。
小型で軽量なため、持ち運びに非常に便利です。
照明機材のないハウススタジオなどで撮影を行う際には、持ち運びのしやすいLED照明は非常に使い勝手が良いでしょう。
また、軽いため、持ち運びだけでなく、セッティングを行いやすいこともLED照明の魅力です。
まとめ
定常光の照明機材として、活躍の幅を広げているのがLED照明です。
寿命が長く、小型で軽量など、今回はLED照明の特徴についてお伝えしました。ですが、HMI照明などと比べると、まだ光量が小さいという短所も存在します。
今後、短所の改善が進むと、より利用される機会が増えていくかもしれません。LED照明の特徴を踏まえて、撮影で活用すると良いでしょう。