レンタル撮影スタジオ開業マニュアル 完全版

レンタル撮影スタジオの開業費用はいくら必要?

撮影スタジオの開業時にかかる費用にはどういったものがあるのかを解説します。
まず、開業時の費用としては、物件取得に関する費用と、撮影スタジオ投資に関する費用に大別されます。
それぞれの費用について詳しくみていきましょう。

物件取得に関する費用

保証金

住居用物件でいうと敷金に相当する名目です。
住居用物件では、敷金は賃料の1ヶ月というのが多いですが、テナント用物件では賃料の6〜12ヶ月程度を保証金として定めている物件が多いです。

保証金は契約解除時には返ってくるお金ですが、一般的には償却額が設定されており、それを預けた保証金から差し引かれた金額が返金されます。

礼金

おもに関東地方にみられる慣習で、契約時に物件オーナーに対して支払われるお金で、賃料の1〜2ヶ月分が相場です。
礼金は契約解除時にも返金されません。

仲介手数料

不動産屋に支払う手数料です。
賃料の1ヶ月分が相場です。

造作譲渡費

前テナントの内装や設備をそのまま受け継ぐ居抜き物件の場合には、前の借主にその譲渡代金を支払うことになります。
金額は、内装や設備の状態などによって様々です。

前家賃

一般的には、契約日からその翌月分までの賃料を前家賃として支払います。
契約月は日割り計算されます。
まれに、物件引渡し日が契約日とは異なるケースがありますが、そのような場合には、引渡し日からの日割りで計算されます。

スタジオ投資に関する費用

設計費

内装の設計図を制作するための費用です。
業者によって、坪単価で算出される場合や、内外装工事費を基にして算出されるなどの違いがあります。
内外装工事費の10〜15%ほどが相場です。

内外装工事費

内外装工事の費用です。
撮影スタジオのタイプにより金額に大きな幅がでてきます。
ハウススタジオとホリゾントスタジオであれば、坪単価は圧倒的にホリゾントスタジオが安価です。

設備工事費

電気やガスなどの資格が必要な工事がかかる費用です。
キッチンスタジオやシャワー付きのスタジオなどの場合には費用が高くなってきます。

機材・資材費

照明機材・バック紙・三脚などの機材や資材の購入費です。
メイクルームに設置する鏡なども必要です。

販売促進費

ホームページ制作料や専門誌への広告出稿料などの集客のために必要な費用です。
スタジオは飲食店や美容室などとは違い、開業すればお客様がはいってくるような業態ではありませんので、ホームページの制作は必須でしょう。

備品費

名刺からトイレットペーパーに至るまで、細かな備品の購入費です。
その他にインターネットを繋ぐためのモデムであったり、音楽を流すためのポータブルスピーカーなどもあるとよいでしょう。

つづいては、これらの費用をどのように準備していくかについても解説していきます。

レンタル撮影スタジオ開業のための資金調達

自己資金と調達資金の目安

開業資金を全て自己資金でまかなえればベストではありますが、現実的にはなかなか難しいことも多いと思います。
必要な資金に対する自己資金の割合のことを自己資金比率といいますが、自己資金比率50%ほどは必要でしょう。

必ずしも自己資金比率が50%ないと開業は難しいということはありませんが、融資などでの調達金額が多くなってしまうと運営後に資金繰りが苦しくなることもあります。

開業資金を調達するための方法

資金調達の方法はたくさんあります。
事業計画をたてて準備をしてきた成果を形にするためには、不足している開業資金をいろいろな手段を使って調達する必要があります。
どんな調達手段があるのか、いくつかまとめてみます。

親族からの借り入れ

まずは、やはり、家族や親戚からの借り入れです。
親族だからと甘えることなく、事業計画と返済計画をしっかりと説明して賛同してもらえるかが重要です。

日本政策金融公庫の融資

民間の金融機関に比べて利息が低いのが特徴です。
開業資金の調達先として多くの人が利用しています。事前の相談にも無料でのってもらえるので、開業の計画をはじめたのなら、物件の契約前にはやめに訪れるようにしましょう。

信用保証協会を利用した金融機関からの融資

信用保証協会とは、中小企業や小規模事業主の金融円滑化のために設立された公的機関です。金融機関から融資を受ける際、公的機関である信用保証協会が中小企業などの債務を保証することで、融資を受けやすくなります。
ただし、金融機関に対する金利以外に、借入金額や借入期間などに応じた保証料を負担しなければなりません。

助成金や補助金

正社員を雇用することでもらえる助成金や、設備調達費の一部を負担しtもらえる補助金など、各自治体でさまざまな制度があります。
経済産業省や各自治体のホームページでさがしてみたり、商工会議所や社会保険労務士に相談してみるのもいいでしょう。

クラウドファンディング

この数年で、資金調達のひとつとして注目されはじめたクラウドファンディングを利用するのもいいでしょう。
クラウドファンディングを利用すれば、必要な資金を目標金額に設定し期限を決めて、インターネットで多くの人からの資金集めに挑戦できます。
支援者はリターンとして、あなたが支援金額に応じて設定したものを受け取ることができます。

マーケティングのフレームワーク「3C」で考える撮影スタジオ

3C分析とは

3C分析とは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」という3つのCについて分析をおこない戦略を考えるマーケティングのフレームワークのひとつです。

市場の関係性を理解し、事業計画やマーケティング戦略を決定する際によく使われるフレームワークになります。

分析対象は、自社ではコントロールできない外部環境と、自社でコントロールできる内部環境に大別するころができます。このうち、3C分析では、外部環境として「顧客」と「競合」、内部環境として「自社」を分析対象とします。

3Cの分析方法

市場・顧客(Customer)の分析

昨今のマーケティングは顧客視点から分析することが、3C分析でも、まず最初に分析をおこなう対象は「市場・顧客」になります。

なぜなら、市場や顧客をわからないままだと、自社の強みや弱みを評価することが難しいためです。

市場や顧客の分析では、マクロ分析とミクロ分析の2つの分析をおこなうことで、より効果的な分析ができるようになります。

マクロ分析は、景気の変動や法律の改正、人口やトレンドの変動などの社会的な変化を見つけ出すためにおこなう巨視的観点からの分析で、PEST分析というフレームワークでおこないます。

これらの外部要素は、ある企業にとっては機会になりますが、一方で別の企業にとっては脅威ともなるものです。そして、自社の努力でどうにかできるものではない要素になります。

もうひとつがミクロ分析でし。微視的分析ともいわれ、業界の構造変化などが自社にあたえる影響を分析します。業界内での競争環境や関係性を把握することで、自社のビジネスを取り巻く脅威を明らかにして、先行きを見通しやすくなります。

このミクロ分析では、5フォース分析といわれるフレームワークがよく用いられます。

競合(Competitor)の分析

競合の分析では、売上や社員数、市場シェアをはじめとする競合の状況や、競合の製品やサービスの強み・弱みを分析し、市場の変化にどのように対応しているのかを把握することが大きな目的です。

そして、競合他社の分析をおこなう際には「結果」と「要因」の2つに着目していきます。

「結果」は、競合企業の売上、利益率、市場シェア、顧客数などの成果で、公表されていない情報を多いですが、少しでも多くの情報を得られるよう情報収集をおこないます。

また、企業の資本がどれくらい効率的に使用されているのかを把握するために、社員あたりの売上や顧客単価などを調べることも重要です。

「要因」はそれらの結果がどのようにして得られたのか知ることです。新製品の開発や販売ルート、営業方法、製造工程、顧客サポートなど、さまざまな側面から、自社に取り入れることでできる仕組みなどがないかを明らかにし、「結果」をだすためのポイントをみつけていきます。

自社(Company)の分析

ここまでの市場や顧客の分析と競合の分析をもとにして、自社の経営資源をどう使っていくのかを分析していきます。

市場や顧客の変化や、その変化に対して競合がどういった動きをしているのかを、自社と比較していきます。経営資源、売上高、市場シェア、収益性、販路、技術力、組織力などあらゆるポイントで多角的に比較し、自社の強みと弱みを把握していきます。

これには、SWOT分析というフレームワークをつかうのがおすすめです。

撮影スタジオにおける3C分析

ここでは、1時間あたりの利用料を相場より安く設定している50平米未満の白ホリゾントスタジオを具体例にとして、3C分析で考えてみます。

市場・顧客の分析

写真を撮るという行動は、携帯電話へカメラが搭載されて以降、急激に伸びました。誰もが、簡単に写真を撮影できるようになった一方で、ミラーレスの高機能化などの要因でカメラ利用のユーザーもさほど減っていないのではないかと思います。

撮影スタジオを利用する顧客層は、コンシューマ(個人ユーザー)よりは、企業での利用のほうが多いのではないかと推測しています。

例えば、雑誌などのメディア撮影や、商品カタログ用の撮影などです。

競合の分析

撮影スタジオは、カフェやレストランのように全国展開しているような規模の競合はほとんどありません。

スタジオアリスやスタジオマリオはいずれも店舗数が400店舗以上の規模ですが、業態がレンタル撮影スタジオとは異なるので、分析対象としては必ずしもふさわしくはないように思います。

自社の分析

強みは、50平米以下というコンパクトさです。自社でスタジオスペースを持たない中規模のアパレル企業にとっては、大きなスタジオにかける予算はなく、小さめのスタジオでたくさんの商品を撮りたいというニーズに応えられます。

弱みは、規模が小さいゆえに知名度が低く、新規顧客の集客が難しいことです。路面店舗のように一見さんがふらっと入店してくれる業態ではありませんから、顧客層へのアプローチ方法が考える必要があります。

レンタル撮影スタジオの開業にむけて物件を探そう

物件探しがはじまると、いよいよあなたの撮影スタジオが現実に感じられるようになっていきます。ワクワクやドキドキの気持ちをたっぷりと楽しみながらも、物件選びは慎重に冷静な判断でおこないましょう。

物件選びの基本的な考え方

コンセプトにあわせて探すコンセプト優先タイプ

コンセプトをまず固めてから、そのコンセプトにあった物件を探すケースが多いと思います。
そのほうが、自分のやりたい撮影スタジオを再現しやすいのはもちろんのこと、事前にターゲット層の分析などのマーケティング活動ができるからです。

しかし、この方法のデメリットは物件探し自体が難航することです。
想定している賃料・面積・間取り・階数などのあらゆる条件に合致した物件がタイミングよく空いているということが少ないからです。

運良くすぐに物件が見つかるケースもあれば、数ヶ月から1年程度のあいだ物件が見つからないこともあります。

物件にあわせてコンセプトを決める物件優先タイプ

一方で、コンセプトは物件にあわせて決めるというケースもあります。
このタイプは「どうしてもこの地域で開業したい」といったような立地にこだわる場合に多いです。

このケースの場合、賃料さえ予算内であれば、ほとんどの空き物件を候補として物件探しができます。
広さが極端に狭ければ、通販のブツ撮り専用スタジオにすることもできるかも知れませんし、スケルトンの物件であればハウススタジオよりもホリゾントスタジオのほうがいいかも知れません。

注意しなければいけない点は、いい物件がみつかっても何日ものあいだキープしておくというのは難しいということです。いい物件は他の人も興味をもっているケースが多いので、早めに決断して物件の契約をする必要があります。

そうすると、コンセプト設計やターゲット設定などのマーケティングにかける時間がおのずと少なくなってしまいますので、開業後に思ったようにいかないということが増えてしまいます。

撮影スタジオのホームページをみてみると、ほとんどと言っていいほど、天井高についての情報が書かれてあります。また、撮影スタジオ検索サイトでも、天井高で絞込検索ができるように作られていたりもします。

ホワイトパンダの絞り込み検索も、天井高の絞込検索に対応しておりますので、ぜひご利用ください。

撮影スタジオの天井高はどれくらい必要なのか

天井高の高いスタジオのメリット

天井高が高いとライティングの選択肢が増える

天井高の高いスタジオは、天井高の低いスタジオに比べて、ライティングの選択肢が格段に増えます。具体的には、トップライトを好みの位置にセッティングできるようになります。

トップライトとは、天井から照らすタイプの照明のことです。白ホリゾントのスタジオでは、壁・天井・床がつや消しの専用塗料によって、真っ白に塗装されています。こういった環境の場合、被写体の上部からトップライトも照らすことで、壁や床に光が反射してスタジオ全体に回り込み、柔らかい光で包まれた写真を撮ることができます。

天井高が3m以上あるスタジオだと、トップライトが設置しやすくなります。中規模から大規模なスタジオだと、3m以上あるスタジオが多いでしょう。倉庫のような建物をスタジオにしているところでは、天井高10mなんていうところもなかにはあります。

高さを再現したい撮影ができる

思いっきり飛びあがったり、商品を高い位置に掲げたり、そのような高さを再現したいような撮影にも対応できます。天井高が低いと、天井と壁との境目が写り込んだりしてしまいます。

天井高の高いスタジオのデメリット

ここまで説明してきたように、天井高の高いスタジオはライティングの幅が広がったり、高さのある撮影ができたりと、たくさんのメリットがあります。しかし、そういったメリットがある分、やはり利用料金が高くなる傾向があります。

小規模スタジオでもいろいろな工夫がしてある

小規模な撮影スタジオの場合、天井高は2.5m前後のところが多いです。そのようなスタジオは、天井の石膏ボードを外して天井むき出しにすることで少しでも天井高を高くしたり、天井と壁の境目にもアール構造を導入して撮影時に境目が写らないようにしたりと、いろいろな工夫が施してあります。

そういった小規模なスタジオの場合、比較的低価格で利用できるところも少なくありませんので、そのような工夫にも着目して探してみてください。

スタジオの天井高は高いことに越したことはありませんが、その分、利用料金が割高になってしまうケースが多いです。トップライトを利用したいのであれば3m以上は必要でしょう。

また天井高に限らずですが、撮影したい照明のセッティングや構図などを事前にイメージしてから、必要な天井高を考えてスタジオを探すとよいでしょう。天井高の低いスタジオであったとしても工夫次第では、撮りたい写真を撮影することもできますから、単純な天井高の数値だけで判断するのではなく、スタジオ写真などを参考にもしてみてください。

物件の探し方

マーケティングをしよう

物件探しをはじめる前に、おおまかな予算と立地は決めておきましょう。
おおまかな予算と立地が決まれば、その立地の相場を掴むためにまずはインターネットで下調べをしましょう。

実際に希望立地の周辺を訪ねてみて、街並みを確かめたり、住んでいる人、働いている人、遊びに来ている人などを観察したりしましょう。
もし、自分がよく知った立地であったとしても、開業のための物件探しというメガネを掛けて観察することで、自分が知らない一面が見えてくることもあります。

さらに、周辺の競合店を調査したり、役所や商工会議所で世代別の人口や所得などを調べておくこともおすすめします。

不動産屋に相談しよう

そして、空き物件を調べるには、実際に不動産屋を訪ねてみましょう。
インターネットで探してから訪問してもいいですし、飛び込みで訪問してみるのもいいでしょう。
その際に条件にあうような物件がなかったとしても、何度か通っているうちに新規の空き物件がでることもあります。
不動産屋によっては、あなたにあった物件の空き情報がでると、インターネットなどに掲載される前に連絡をくれることもよくあります。

こだわりの条件が多いような場合には優先順位を挙げて伝えてみたり、イメージ写真を用意して伝えてみたりすると、より確度があがります。

内覧しよう

内覧をすることで、間取り図からは得ることが難しいような情報を得ることができます。
希望の条件に近い物件がでてきたら、できるだけ積極的に内覧するようにしましょう。

複数の物件を内覧することで、あなたの頭の中で描いているスタジオイメージの解像度がより高くなっていきます。
解像度が高ければ高いほど、設計や施工業者と打ち合わせをするときなどに、きっと役立つでしょう。

レンタル撮影スタジオの物件を契約しよう

いい物件がみつかったらすぐにでも契約したくなりますが、契約こそ慎重におこなわなければなりません。
この記事では、契約時に注意しなければならない点をひとつずつ押さえていきます。

契約までの流れ

申し込み

まずは不動産屋で物件の申込みをします。
テナント物件の場合には、住居物件と違い、申込み時に申込金や手付金といった名目の費用が必要になることがあります。
保証金の1割程度のことが多く、保証金の一部として扱われますので、契約時には残りの保証金を納めることになります。

審査

申込書に記入した内容をもとに管理会社や物件のオーナが審査をおこないます。保証会社の賃貸保証が必要な物件の場合には、保証会社の審査も一緒におこなわれます。

契約

問題なく審査が通ったら、いよいよ契約です。
契約書の重要事項を宅地建物取引士が説明してくれます。契約書にサインをおこなうと、もう後戻りはできませんから、どんな小さなことでも疑問点は確認するようにしましょう。

契約書にサインをしたら、すみやかに保証金や仲介手数料などの初期費用の支払いをします。基本的には契約日に着金できるよう振り込みます。

契約書で確認しておきたいポイント

契約期間

住居用物の場合には契約期間2年というのは一般的ですが、テナント用物件の場合には契約期間は2年、3年、5年など物件により様々です。

注意が必要なのは、定期借家契約とよばれる更新をすることができない借家契約です。
定期借家契約では、契約期間が満了すると物件を明け渡さなくてはなりません。そのため、長く撮影スタジオの運営を続けたいという方は注意が必要です。
ただし、契約満了の6ヶ月前までに再契約をしない旨の通知がない場合には、更新ではなく再契約というかたちで契約を続けることができます。

保証金の償却

保証金は万が一賃料が延滞した場合などに備えて支払うものですので、契約を解除する際には一部の金額を除き返金されることが多く、一般的には7〜8割程度の金額が戻ってきます。

更新時

契約期間が満了を迎える際には、契約の更新をおこなうのか、契約を解除するのかの判断が必要になります。特に、契約解除の通達がない場合は自動更新というようにしている物件も多いです。

そして、更新時には更新料という名目で賃料の1ヶ月分を支払う必要があること一般的です。

解約時

契約を解除する際には、事前に管理会社や物件オーナーに対し、いつまでに契約解除の通達をおこなう必要があります。
住居用物件では1ヶ月前通達が多いですが、テナント用物件では6ヶ月前通達が一般的です。

また、退去時は原状復帰が原則ですが、居抜き物件等の場合にはどのような対応が必要なのかも必ず契約時には確認しておきましょう。

レンタル撮影スタジオの設計と施工

物件の契約ができたら、施工業者を選んで、撮影スタジオづくりに取り掛かりましょう。
利用者になったつもりで、使いやすい動線を考慮しつつも、こだわればこだわるほどに膨らんでしまう予算にも注意をしましょう。

設計と施工の会社を決める

業者の探し方

撮影スタジオの工事は、内外装の工事と、電気やガスなどの設備工事に大別されます。
内外装の工事には、設計図を作る設計士と、実際に工事を行う施工会社が必要です。それぞれを別の業者にお願いしてもいいですし、設計から施工まで一貫して請け負っている会社にまとめてお願いすることもできます。

業者を探す場合は、インターネットを活用して探してみたり、知り合いにスタジオ運営に関わる人がいるならば相談をしてみて業者を紹介してもらうのもいいでしょう。

設計や施工業者は、それぞれ強みが違います。
飲食店が得意な業者もあれば、美容室が得意な業者もあります。どの業者でも基本的には業種を問うことなく請け負ってくれます。
それでも、やはり、撮影スタジオを得意としている業者だと、こちらが気づかないところをフォローしてくれることも多々あります。

業者は物件契約前にはおおよそ決めておいたほうがよい

物件の契約がすんだら、通常はその時点から家賃が発生します。引渡し日を少し先延ばしにしてくれたとしても、せいぜい1週間でしょう。
ですので、オープンまでの期間はできるだけ短縮したいものです。

設計や施工会社を物件契約後から探していては、オープンまでの期間が長引くことが容易に想像できますから、物件を契約する前に、業者には目星をつけておくことをおすすめします。

できれば、事前に一度は会って、設計と施工にどれくらいの費用がかかるのかを概算でも見積もりしておいてもらうくらいのことはしておいたほうがよいでしょう。
見積もりは、最低でも3社からはもらうようにしましょう。
複数の業者からの見積もりを比較検討するのは、一般的なことです。頼まないかも知れないから見積もりとるのはちょっと気が引けてしまうなどと、遠慮する必要はありません。

そのように準備を事前にしておけば、物件の契約が完了したら、すぐに業者を決定して設計図の作成にはいることができ、施工に向けて進めてもらえるようになります。
このとき、完全に設計図はおまかせというよりも、自分なりに頭の中でのイメージを簡単にでも書き起こしておければ、よりスムーズに進んでいきます。

設計と施工を自分でおこなうこともできる

自分の頭の中でのイメージがしっかりと出来ている場合には、設計を自分で行うということもできます。
また、最近はDIYの教本や動画が多数ありまので、材料や道具をホームセンターで揃えて、内装工事を自分でおこなうこともできます。

そういった場合にも、電気やガスなどの資格が必要な設備工事はきちんと専門業者にお願いしましょう。
ホリゾントスタジオにするならば、壁と床が一体化しているR部分の施工も専門業者にお願いするのがおすすめです。

自分でペンキを塗って仕上げた白ホリスタジオは、きっとあなたのお城になることは間違いありません。

レンタル撮影スタジオを設計するときに考えるべき導線設計

どんなスペースでも働く人や利用するユーザーが効率よく動くことができる設計というのは欠かすことができません。導線設計に失敗すると、とにかく無駄な動きの連続になってしまいます。

この記事では、撮影スタジオを設計するにあたって、注意しておいたほうがよいことを「導線」という観点から解説していきます。

撮影スタジオにおけるゾーニング

撮影スタジオには、撮影スペースは以外にもいくつかのゾーニングにレイアウトは分割されています。まずは、どんなゾーニングがあるのかをひとつずつみていきます。

エントランス

名前のとおりですが、入り口付近のスペースです。土足厳禁のスタジオでは、ここでスリッパに履き替えたりもします。

ウェイティングスペース

アパレルの撮影などであれば、1日で何度も着替えを繰り返しながら撮影するケースが多く、ウェイティングスペースでは、これから着用する服などを準備しておいたらいします。

メイクスペース

モデルがヘアメイクをおこなうスペースです。置き鏡のほかヘアメイクさんの道具類を広げたりするようなスペースです。

フィッティングスペース

モデルが着替えをおこなうスペースです。大きな全身鏡は必須アイテムです。

スタジオスペース

撮影スタジオのメインスペースです。照明機材や三脚などを片付けるスペースと一体型になっていることもあれば、機材収納スペースが別に設けられているようのスタジオもあります。

事務スペース

撮影スタッフがディレクションをおこなったり休憩したりするようなスペースです。

その他

キッチンスペースやトイレなどのほか、スタジオ毎に特色あるスペースがあります。

基本的な導線の考え方

弊社でも定期的におこなうアパレル企業の撮影を具体的なケースとして解説していきます。

撮影中の反復行動を効率化できる導線

アパレル撮影の場合には、とにかく1回の撮影で何着もの着替えをおこない、たくさんの写真を撮ることが要求されます。そうしたときに重要になるのが、反復する行動パターンをいかに効率的にできるかということになります。

  1. ヘアメイク
  2. フィッティング
  3. 撮影
  4. フィッティング
  5. 撮影
  6. メイクチェンジ
  7. フィッティング
  8. 撮影
  9. フィッティング
  10. 撮影

上記のようなパターンが一般的なアパレル撮影における流れになります。このような流れの反復をおこなうときに、スタジオスペースを挟むように、メイクスペースとフィッティングスペースが設置されているようなスタジオは、とにかく使いづらいはずです。

理想のレイアウトは、メイクスペースとフィッティングスペースが隣同士というのが効率的な導線になるはずなのです。

トイレはどこからでもアクセスしやすい場所が理想

トイレの場所も以外に重要です。一見、トイレは事務スペースの奥が理想かと思いがちですが、例えば、カメラマンなんかは、モデルがフィッティングスペースでの着替え中などの短い時間をつかってお手洗いを済ませてしまうことが多いのです。

そうなるとわざわざ事務スペースに入らないとお手洗いにいけないというのは、導線的にベストではありません。

しかし、だからといってスタジオスペースにトイレが隣接していても、スタッフがお手洗いをしたいときに、撮影している近くを横切ったりというのも気を遣ってしまいますから、よく考えてレイアウトをしなければなりません。

同じようなパターンの動きを反復することが多い撮影現場では、スタジオの導線設計というのは、利用者の顧客満足にも大きく影響します。

だからこそ、設計時には、カメラマン・ヘアメイク・モデル・スタッフなど、関係者それぞれになりきって、イメージをふくらませることが重要です。

レンタル撮影スタジオの集客チャネルをつくる

レンタル撮影スタジオを開業しても、お客様に存在を知っていただかないと、集客することができません。
この記事では、集客するための集客チャネルの作り方を解説していきます。

ホームページをつくる

公式ホームページを作るとたくさんのメリットがあります。
必要な情報を漏れなく掲載したり、撮影スタジオの魅力を写真や動画でわかりやすく伝えることができたり、そしてなによりも、直接集客ができるようになります。

一方で、デメリットもあります。
ホームページを制作会社に発注すると、制作費や管理費としての費用が発生します。最近は、無料でホームページを作ることができるサービスもたくさんありますので、自分で作ってしまうこともできるのですが、おすすめしません。

最低限必要なページ構成

  • 料金プラン
  • フロアマップ
  • 写真
  • 利用規約
  • お問い合わせフォーム

それ以外には以下のようなページを用意しておくと、よりベストです。

  • レンタル機材
  • よくある質問
  • お客様の声
  • ブログ

ホームページをつくるための予算

今は、ホームページ無料作成サービスがたくさんあります。それらの中でも、以下の3つが特に人気の高いサービスです。

  • Wix
  • Jimdo
  • Ameba Owned

HTMLやCSSといわれるホームページを作るために必要な専門知識がなくても、パソコン1台あれば簡単に作成できるのが特徴です。たくさんのテンプレートが用意されているので、自分にぴったりのテンプレートを探して、パーツを埋めたり移動したりすることで、ホームページづくりができます。

ただし、これらのホームページ無料作成サービスをつかって、ホームページをつくるのはあまりおすすめできません。

なぜかというと、これらで作られたサイトの多くにいえることですが、非常に見づらいホームページになります。
サービスページで紹介されているテンプレートを見ると、かっこいいデザインのものばかりなので、それに惹かれてしまうのですが、必ずしも、同じようにかっこいいデザインのサイトはなかなか作ることが難しいです。

ホームページ制作といっても、構成・デザイン・コーディング と大きく3つの領域にわかれます。
コーディングの専門知識がなくてもホームページを作れるのはすごいことなのですが、構成やデザインについても、やはり専門知識やスキルがないと、いいサイトは作れないのです。

では、制作会社にホームページ制作を依頼するような場合には、どういった費用がかかってくるのでしょうか。

これも、制作会社によって本当にピンきりです。
初期費用無料で制作して毎月3万円の管理料がかかるような制作会社もあれば、制作費用が数十万円〜必要な制作会社もあります。

レンタル撮影スタジオのWebサイト制作に強い制作会社

手前味噌ですが、おすすめは弊社です。

弊社の主な業務は、Webサイト制作業務で、複数あるうちの1事業として当サービス(ホワイトパンダ)を運営しております。当サービスの運営にあたって、登録されている700に近い撮影スタジオのサイトを分析しておりますので、どういったページ構成やデザインが、よりブランディングと集客に貢献できるのかといったノウハウをたくさん持っております。

https://296.co.jp/

SNSをつくる

今は、SNSはなくてはならない存在となっています。
Twitter・Instagram・YouTube・Facebook・TikTok・LINEは、抑えておきたいサービスです。これらのすべてを運営できればいいですが、運営にかけられるリソースもありますので、まずは、気軽にできるTwitterやInstagramがおすすめです。

まとめサイトに掲載する

レンタル撮影スタジオまとめサイトに登録する

レンタル撮影スタジオのまとめサイトはいくつかあります。

当サービスもそのなかのひとつで、2020年9月にリリース以降、現在は年間58万PV程度で現在も急速に利用者が増えております。
特徴にひとつは、無料で掲載できるという点です。もちろん、無料掲載での相互バナー設置も必要ありません。さらに、ユーザーサイドでは、撮影スタジオに特化した絞込検索機能があります。そのため、ユーザーが理想の撮影スタジオを探しやすいのも特徴です。

全国規模で展開している類似サービスには、以下のようなサービスがあります。

レンタルスペースサイトに登録する

レンタルスペースのマッチングサービスに登録することで、一定の集客が期待できます。
それらのなかでも利用者が多いサービスは、スペースマーケットとインスタベースの2社です。撮影スタジオを登録するだけで、集客から決済までの予約管理もできるようになります。

スペースマーケットとインスタベースは、Googleなどの検索結果でもランキング上位を獲得していますので、集客力もバッチリです。機能面では、Googleカレンダーと同期することができたり、予約を承認制にできたりと、便利な機能が充実しています。

強い集客力と便利な機能の対価として、予約代金の30%〜が手数料としてかかってきますので、料金設計次第では薄利になることもありますので、注意が必要です。

レンタル撮影スタジオを開業したい方へ

失敗しないためのレンタル撮影スタジオの開業・運営・集客などで
お悩みの方のご相談を受け付けております。

お問い合わせする

オーナーアカウントではご利用いただけません。

オンライン予約をおこなうには、お客様情報の登録が必要です。

メッセージをおこなうには、お客様情報の登録が必要です。

お気に入り機能は今秋リリース予定です。