太陽のような強い光を作り出せる!HMI照明について
撮影において光は大変重要な要素です。ライティングの腕が、写真のクオリティに大きく影響を与えます。
ライティングには、瞬間光と定常光の2種類があります。多くの場合、写真撮影では瞬間光が使用され、動画撮影では定常光が使用されます。
定常光を作り出す機材は様々あります。その中でも、大きな光量を誇るのが、HMI照明です。
HMI照明は、映画やドラマの撮影現場などで使用されることのある機材です。カメラマン個人が購入することは少ないですが、撮影スタジオでレンタルしていることもあり、利用する機会に恵まれることはあるかもしれません。
今回は、そんなHMI照明の特徴についてご紹介していきます。
HMI照明とは
HMI照明とは、主に映画やドラマなどの撮影現場で使用されることの多い、非常に大きな光量を誇る定常光の照明機材です。
HMIは、Hydrargyrum Medium-arc Iodideの頭文字を取った言葉です。
歴史的には、1972年に西ドイツで開催されたミュンヘンオリンピックで初めて使用されました。
ドラマなどで窓から太陽光が差し込むシーンは、HMI照明を使用して撮影されているケースが多いです。
HMI照明の特徴
HMI照明には以下のような特徴があります。
- 光量が大きい
- 安定するまで多少の時間を要する
- 価格が高い
それぞれ確認していきましょう。
光量が大きい
HMI照明は、定常光でありながら、非常に大きな光量を誇ります。
機種によってはストロボと同じか、それ以上の光量があり、大きなものでは18,000Wもの明るさとなります。持ち運びのできる太陽のようなものですね。
ですので、先にも述べたように、映画やドラマの撮影現場で使用されることが多いです。雨の日でも、HMI照明を使うことで、晴れているシーンの撮影を行うとこも可能になるほどです。
非常に大きな光量であることが、一つ目の特徴です。
安定するまで多少の時間を要する
HMI照明は、電源に繋いですぐに使用できるわけではなく、光が安定するまでに多少の時間を要します。
そのため、一人での撮影にはむいておらず、大人数での撮影で利用されることが多いです。
HMI照明では、メタルハライドランプが使用されています。メタルハライドランプは、野球場や体育館の照明などで、利用されることの多いタイプのランプです。
体育館などの照明は、明るくなるまで時間がかかることを、多くの方がイメージできるのではないかと思います。同様に、HMI照明も明るさが安定するまでに、少々の時間を必要とします。
価格が高い
HMI照明は、価格が非常に高いことが特徴です。
映画など、プロの現場で利用されている大きなタイプですと、数百万円もの値段がします。高級車が買えてしまうほど、高価な代物です。
一般向けのコンパクトなタイプでも、安くて10万円です。価格が高価であり、大きいため、なかなか個人で使用される方は少ないです。
また、交換用のメタルハライドランプも35,000円〜100,000円かかり、維持費も大きいです。メタルハライドランプは、省電力で長寿命であることが特徴の一つではありますが、それでも他の照明機材に比べて、維持費は高くなってしまうでしょう。
まとめ
HMIはプロの現場で使用されることの多い、非常に本格的なデイライトの定常光です。
常設光ではありますが、ストロボ並かそれ以上の光量を誇るため、動画だけでなく、写真撮影で使用される機会もあります。
購入する機会はないかもしれませんが、レンタルで使用する場合に備えて、今回紹介した特徴を、ぜひ頭に入れておくようにしましょう。