分電盤の画像

絶対に知っておこう!撮影に関わる電力の基礎知識

多くの撮影スタジオでは、撮影の際にストロボなどの照明機材を利用します。スタジオに備えつけのものを利用したり、自ら持ち込んで利用したりと、状況によって異なりますが、使用する際の消費電力に注意しなければいけないのはどちらも共通です。

消費電力が大きすぎるものは、使えない場合があります。

スタジオの電気容量や、使用したい照明機材の消費電力は事前に調べることが可能です。

今回は、撮影スタジオを利用するために知っておきたい、電力の基本知識についてお伝えしていきます。

そもそもV、A、Wとは?

電気を表す単位の基本となるものは、以下の3つです。

  • 電圧のイメージ画像V(ボルト)
  • 電流のイメージ画像A(アンペア)
  • 電力のイメージ画像W(ワット)

それぞれ確認していきましょう。

V(ボルト)

V(ボルト)は、電気を押し出す力、すなわち電圧を表す単位です。電圧が大きいほど、多くの電気を流すことが可能になります。

日本の一般的な家庭の電圧は、100Vとなっています。撮影スタジオでは、ストロボなどを使用することを考慮して、電圧が200Vとなっているところもあります。

A(アンペア)

A(アンペア)は、電気の流れる量、すなわち電流を表す単位です。どれだけの量の電気が流れているのかを表しています。

W(ワット)

W(ワット)は、単位時間あたりに消費される電気エネルギー量、すなわち電力を表します。照明機材が発行するときに必要な電気エネルギーの大きさを示す値です。

W(ワット)の計算方式は以下のようになります。

W (電力)=V (電圧)×A (電流)

電力の大きさは、電圧や電流の大きさによって変わってきます。

電気に関するその他の単位

電気に関するその他の単位で代表的なものとしては、VA(ボルトアンペア)Wh(ワットアワー)があげられます。

VA(ボルトアンペア)

VA(ボルトアンペア)は、電力を表す単位で、皮相電力を表す際に使用されます。

皮相電力とは、有効電力と無効電力を合成した電力です。電力には、実際に電気機器で使用される電力(有効電力)と何の仕事もしない電力(無効電力)が存在します。それらの電力をすべて合わせたものが皮相電力なのです。

VA(ボルトアンペア)の計算方式は以下のようになります。

VA (皮相電力)=V (電圧)×A (電流)

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、電圧と電流を掛け合わせるというのはW(電力)の計算方法と同じです。では、VA(ボルトアンペア)とW(ワット)は何が違うのでしょうか?

VA(ボルトアンペア)とW(ワット)の違い

W(ワット)は電力であると先ほど説明しましたが、正確には、W(ワット)は有効電力にあたります。ですので、電気機器で実際に利用される電力がW(ワット)となります。

電力には、何も仕事をしない無効電力が存在すると説明しました。それを考慮すると、W(ワット)の計算方法は以下の式で表せます。

W (有効電力)=V (電圧)×A (電流)×cosθ (力率)

力率とは、送り出された電力に対して、有効に使われた電力の割合のことです。cosθは0〜1の間の値になるので、大抵、100倍して%で表されます。多くの場合、力率は100%にはなりませんので、無効電力が発生します。

ですので、VA(ボルトアンペア)とW(ワット)の関係性は、VA(ボルトアンペア)≤W(ワット)となります。

例えば、消費電力1,000Wのストロボを使用するとします。ストロボの力率が80%だとすると、必要なVA(皮相電力)は以下の通りです。

1,000W÷0.8=1,250VA

VA(ボルトアンペア)とW(ワット)の違いをきちんと理解しておくようにしましょう。

Wh(ワットアワー)

Wh(ワットアワー)は、実際に使用した電気エネルギーの量、すなわち電力量を表します。hはアワー、つまり時間を表しています。

計算方法は以下の通りです。

Wh (電力量)=W (有効電力)×h (使用時間)

有効電力に使用時間を掛け合わせることで、電力量を求めることができます。

Wh(ワットアワー)により、実際にどれだけ電力を使用したのかを確認することが可能です。

まとめ

電力に関する基本知識は、特殊なストロボなどをスタジオで利用する際に必ず必要になる知識です。まずは、今回ご説明した内容をきちんと押さえましょう。

今回の知識を活用して、スタジオで利用できる照明機材に関して計算していきます。難しい計算はないと思います。計算方法をしっかり覚えておくと良いでしょう。

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